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友の会専用ページ 2021年12月

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ふなばし三番瀬環境学習館 友の会専用ページ 12月号

学習館のスタッフも驚いた、2021三番瀬の生きものニュース

みなさんこんにちは! 環境学習館の野口です。

今年も残すところあと1ヵ月あまりとなりましたね……。

今回の友の会通信では少し気が早いですが、12月号ということで今年の振り返り企画! 「学習館のスタッフも驚いた、2021三番瀬の生きものニュース」を紹介したいと思います!


728日:青潮被害で三番瀬の浜が大変なことに……⁉

728日ごろに青潮が発生しました。青潮は海面が青白く見える現象で、青潮になると海中の酸素が少なくなり、多くの生きものが死んでしまいます。今回の青潮でも命を落としてしまったたくさん生きものたちが三番瀬の浜に打ち上げられました。今回はアカエイの数がとても多く、波打ち際は足の踏み場がないほどでした。

青潮は度々発生していますが、このようにたくさんのアカエイが漂着するのは56年に1回あるかどうかの出来事だそうです。私自身、干潟で数えるほどしか出会ったことのないアカエイが、東京湾にこんなにたくさん棲んでいたということに驚かされました。

青潮被害の恐ろしい光景でありましたが、改めて東京湾でくらす生きものの豊かさを感じる出来事でもありました。

漂着した大量のアカエイは、海浜公園のスタッフや清掃業者さんにより数日で回収され、すぐにいつもの三番瀬の姿に戻りました。

漂着したアカエイの死がいの写真
漂着したアカエイの死がい
干潟に打ち上げられた大量のアカエイの写真
波打ち際を埋め尽くすアカエイ

821日:猛毒クラゲ襲来⁉

821日の夕方、満潮の時間に干潟に来ていたお客様から「青いクラゲ」が打ちあがっているとの目撃情報があり、スタッフが浜へ行ってみると、そこには……! 猛毒を持っていることで有名な「カツオノエボシ」が多数漂着していました。強い南風によって吹き寄せられて来たものと考えられます。以前も漂着はあったようですが、学習館が開館してからは初めてのことでした。

漂着した姿はまるで青いプラスチックやビニールのようです。鮮やかな青色をしていてとてもきれいですが、触手には猛毒があり、刺されると電気を受けたような激痛が走ることから「電気クラゲ」と呼ばれたりもするそうです。見つけても触ったりしてはダメですよ!

回収されたカツオノエボシの写真
回収されたカツオノエボシ
干潟に打ち上げられたカツオノエボシ
ビニールの風船のような姿

814日:アカウミガメの漂着

814日、干潟に体長115㎝ほどのメスの「アカウミガメ」が漂着しているのが発見されました。甲らに大きな傷があることから、東京湾内に迷って入ってきた個体が、船のスクリューなどに巻き込まれて命を落としてしまい、三番瀬まで流れ着いたものと考えられます。

ウミガメの漂着は2018年の6月と8月以来、学習館ができてからは3例目のことになります。以前漂着した個体は、スタッフUの手によって標本化され、頭骨が学習館の2階に展示されています。今回のアカウミガメからもヒレと頭骨の骨格標本を作製中です。きっと標本となって私たちに色々な発見を与えてくれることでしょう。

また、漂着したカメの甲らには「カメフジツボ」というフジツボが付着していました。その名の通りアカウミガメなどの甲らに付着してくらす、大型のフジツボのなかまです。現在、採集したものをバックヤードの水槽で飼育しています。みなさんにもぜひ見てほしいので、どうにか展示できないか検討中です。お楽しみに!

干潟に漂着したアカウミガメの写真
漂着したアカウミガメ
カメフジツボの写真
カメフジツボ

103日:ワークショップ中の奇跡! 珍カニ発見⁉

103日のワークショップ「干潟の生きものを探そう」に参加されていたご家族のお父さんが何か生きものを発見! 「捕まえたー!」という声を聞いて駆けつけると、その手の中には、三番瀬の干潟ではあまり見かけないカニの姿が! 左右に棘の張り出した丸い甲らを持ち、ハサミ以外のあしの先が平たい形をしていている、「キンセンガニ」というカニでした。

東京湾内にも生息しているカニですが、三番瀬は分布の最北端にあたり、もっと南方の外洋に面した砂浜や干潟などで多く見られます。我々学習館のスタッフも三番瀬の干潟でキンセンガニを見るのは、今回が2018年に校外学習の生徒さんが発見して以来、3年ぶりのことでした。

今年はその後2例ほど目撃情報がありましたが、なぜか毎回発見するのは三番瀬に生きもの探しに来た方たち……学習館スタッフは嫌われているのか、いまだ誰も発見できず。今回の発見者はお子さんのために必死でカニを探し続けたお父さんでした。次はあなたかも……⁉

キンセンガニの写真
キンセンガニ
キンセンガニの腹部の写真
あしの先は平たい形をしています

毎年、いや毎日何が起きるかわからない三番瀬干潟。2021年も色々なことがありましたが、その中で私が特に印象的だった出来事を紹介しました。来年はどんなことが起こり、どんな生きものと出会えるのでしょうか…? 今から楽しみですね!

三番瀬ナウ
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