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友の会専用ページ 2021年5月

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ふなばし三番瀬環境学習館 友の会専用ページ 5月号

スーパームーンと皆既月食

5月26日は満月。しかも「スーパームーン」です。
実はこの「スーパームーン」という言葉の由来や定義ははっきりしません。少なくとも天文学の用語ではありませんし、お父さんやお母さんが子供の頃にはそういう呼び名も聞かなかったと思います。
どうやら今から40年ほど前、アメリカの星占い師リチャード・ノル氏がそう呼びはじめ、その後メディアなどを通じて次第に広がったというのが事実のようです。
特にどのくらいの大きさだとスーパームーンと呼ぶという基準はなく、一年で一番大きく見える満月をそう呼ぶのだそうです。

地球の周りを回る月の軌道は完全な円ではなく、ほんのわずかに潰れた楕円形です。そのため、地球と月は周期的に近くなったり遠くなったりを繰り返します(図1)。
同じ満月でも、地球に近い場合と遠い場合では直径でおよそ14パーセント、明るさで30パーセントの違いが出てきます(図2)。
当日の天気や空気の澄み具合なども影響しますので、日頃からお月様を見慣れている人であっても、肉眼でははっきりわかるほどの違いにはなりません。

日時につれ距離が変化することを表した波形グラフ
図1 地球と月の距離と満月
最も近い満月と最も遠い満月の比較図
図2 2021年満月の距離の違い

ところで、今年のスーパームーンには皆既月食が起こります。月食というのは、満月が地球の影で覆いかくされてしまう現象(図3)ですが、月面の一部だけかくれる場合を「部分食」、完全に隠れる場合を「皆既食」といいます。太陽と月の間に地球がないとこの現象は起きませんから、月食は必ず満月の夜に見られます(図4)。
また、日食とは異なり、月食の最中でも月が完全に見えなくなることはありません。白く輝く満月が赤黒い色に変化する様子は少し不気味でもあります。
今年の月食は満月が東の空に姿を現してまもなくの時間から始まりますのでお子様でも観測しやすいのですが、地平線に近いので東側から南側の開けた場所で観測しましょう。

月食のしくみ
図3 月食のときの太陽・地球・月
2021年5月26日南東から東にかけての空
図4 皆既日食中の月の位置

当日は平日なので環境学習館にお越しいただくのは難しいご家庭がほとんどかと思いますが、オンラインで皆既月食の様子をライブ中継するワークショップを開催しますので、よろしかったら是非ご参加ください。

天体観望会・オンライン「星と潮騒の夕べスペシャル「皆既月食」」

※図はすべて国立天文台Webサイト「ほしぞら情報」より/(c)NAOJ

三番瀬ナウ
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