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友の会専用ページ 2020年10月

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ふなばし三番瀬環境学習館 友の会専用ページ 10月号

名前から考える生きものの生態

リスザルと大きなリスザル
リスザルと大瀧

友の会会員のみなさま、初めまして!環境学習館の大瀧です。
コロナの影響で臨時休館していた今年の3月より、この学習館のスタッフに加わりました。久しぶりに来たら知らないスタッフがいる!?と驚かれた方もいるかもしれません。
大学ではヒツジの研究を、学習館へ来る前は動物園で飼育員をしていました。いろいろな動物を担当していましたが、一番長く一緒に仕事をしたのは、リスザルという南米に生息する小さなおサルさんでした。
三番瀬へ来てからは、初めましての生きものが多く発見の毎日です。そんな私が今一番気になっている生きものがいるので、このページをお借りしてちょっとご紹介できればと思います。

大瀧の今一番ホットな生きもの…それは「サルボウガイ」です。
きっかけとなったのはその名前。なんと名前に“サル”がついているではありませんか!
名前の由来には諸説あるのですが、「殻の膨らみが、口いっぱいにエサを入れ膨らんだサルの頬に似ているから」とか「赤い身がサルの赤い頬に似ているから」など、
サルを連想させることからつけられた名前のようです。初めましてなのに名前だけで急に親近感がわきました。


サルボウの赤い身
身が赤いサルボウガイは、アカガイのなかま
サルボウガイの特徴は、名前の由来とも言われる貝殻の形と身の色。殻は厚く横に広く膨らんだ箱状のかたちをしています。
アサリと同じ二枚貝の仲間です。身が赤いのは血液中にヘモグロビンを含むためで、ふつう二枚貝の血液は透明ですが、サルボウガイの仲間はサルや私たち人間と同様赤い血液をしています。


館内の巡回をしていると、子どもたちが拾った貝殻を見せてくれることがあるのですが、見つかりやすいシオフキガイやバカガイの殻と一緒にサルボウガイもよく拾われています。
どんなところが拾うポイントだったのかきいてみると、きれいでシマシマ模様が可愛かったとのこと。
なるほど、特徴のひとつでもある厚く丈夫な殻はなかなか割れないため、きれいな状態で見つけやすいようです。そして可愛いシマシマは殻に放射線状にはいった肋(ろく)のことでしょう。
この肋は貝の種類によって数が異なり、同定する際のポイントにもなっています。サルボウガイはこの肋が32本前後と言われています。サルボウガイと形が似ているハイガイはこの肋が20本前後です。
もし、お散歩中にきれいな肋の入った貝殻を見つけたら肋を数えてみましょう!


サルボウガイの貝がら写真
肋が32本前後。数えるのは大変
ハイガイの貝がら写真
肋が20本前後のハイガイ。めったに見つからない

さて、今回は“サル”つながりということで、私が今一番気になっている三番瀬の貝についてご紹介しました。
生きものの名前を紐解くことで、その由来となった生態や特徴について考えるのも面白いですね!
みなさんが今一番気になっている生きものはなんですか?何か面白い発見があったらぜひ教えてください!

三番瀬ナウ
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