友の会専用ページ 2020年5月
ふなばし三番瀬環境学習館 友の会専用ページ 5月号
日食について
2020年6月21日、日本の各地で部分日食を見ることができます。
次に船橋で日食を見ることの出来るチャンスは2030年の6月になりますから、今回の日食を見逃すと、今後10年間は観測できません。
ところで、皆さんは、日食がどのようにして起こるかご存じですか?
簡単に言うと、地上から見て太陽と月が重なり合った時、太陽の光が月に隠されて日食となります。
重なり方によって、太陽が完全に月に隠れる「皆既日食」、リングのように光が漏れる「金環日食」、太陽の一部が欠ける「部分日食」となります。(図1)
図1
では、日食がいつ起きるのか。つまり太陽と月がいつ重なり合って見えるのか、それをあらかじめ知ることは出来るでしょうか?
実は、日食が起きるのは必ず新月の日になります。新月は一年に12回(あるいは13回)ありますが、では新月のたびに日食が起きるのか、といわれると、実はそうではありません。
地球は、約24時間で一回転しながら、太陽の周りを一年かけてぐるりと一周します。
これを逆に地球から見ると、見かけ上太陽は一年かけて星座の中をぐるり一巡りするように見えます。この太陽の通り道を「黄道」と呼びます。
同じように、地球から見て、月は約27日かけて星座の中をぐるりと一周します。この通り道を「白道」と呼びます。(図2)
ところが、「黄道」と「白道」はわずかに傾きが異なり、この二つが重なり合う部分は2カ所、昇交点と降交点しかないため、太陽と月がちょうどこの交点に位置する場合(約177日に一度)の新月にだけ、日食が起こる、というわけです。平均すると年2回程度ということになります。
でも、日食はそんなにひんぱんに起きているようには感じませんね。このコラムの最初にも、次に船橋で日食が見られるのは10年後だとお話ししました。
地球全体のレベルでは、日食の発生頻度は確かにおよそ177日に一度です。(表1)ところが、日食は月食とは異なり、見られる場所が非常に限られます。
そのため、観測場所を限ると、日食は非常にまれな現象となるわけです。
ちなみに、部分日食や金環食ではほとんど影響がありませんが、皆既日食の時は太陽の光がほとんど遮られるため、周囲が夕方のように暗くなり、同時に周囲の気温が急に下がります。鳥や虫たちの動きが大きく変化したり、夏場であれば激しい夕立になる事もあります。
宇宙規模の星の動きが、身近な天気や生きものに影響を与える事を実感できるよいチャンスでもあるのです。