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第17回ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト受賞作品

第17回となる『ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト』は、公園内(干潟を含む)で撮影した、三番瀬に生息する生きものや四季折々の風景、イベントや人とのふれあい、子どもたちの楽しそうな様子などをテーマに募集しました。今回は、167点の応募作品が寄せられ、審査は船橋在住の作家 森沢明夫氏、写真家 鈴木正美氏を迎えて行いました。

最優秀賞

杉本 健太さん「手の中の富士山」
杉本 健太さん「手の中の富士山」

全体がバランスのいい綺麗な一枚になっているうえに、指で作ったフレームの中にもしっかりとした構図の写真が写っているという、一枚で二度楽しい作品になっています。影の部分のボケ感もちょうどよく、仲のいい誰かと一緒にこの構図を作り上げたのかな、という想像力も働かせてもらえる作品です。

優秀賞

土濃塚 みなみさん「波飛沫浴びて」
土濃塚 みなみさん「波飛沫浴びて」

見た瞬間に「ん?」と気になる一枚です。フレア気味な逆光を上手に使って、少女の存在がイリュージョンのように浮かび上がって見えます。一瞬、多重露光かと思わせる透き通った感じと、きらめく波のボケのグラデーションが、作者の視点のやわらかさを見事に表現した作品となっています。

入選

森田 有子さん「ふたつの世界が見える場所」
森田 有子さん「ふたつの世界が見える場所」

まるで南国のトロピカルな風景を見せられたかのような、インパクトのある一枚ですね。空のブルーと白い雲、そして、立ち並ぶヤシの醸し出す異国感は、これが三番瀬なのかと小さな驚きを味わえました。浅瀬への映り込みも鏡のようなシャープさで、作品がきっちりと決まっていますね。

伊東 央二さん「エモーション」
伊東 央二さん「エモーション」

淡いレースのカーテンを通した夕照が、空から砂浜に降ってきたような、どこか不思議な光芒を楽しませてくれる一枚です。引き潮の砂浜からこちらを照らす小さな太陽と、落ち着いたシルエットの女性の存在の「違和感」が、幻想的な空気感を醸し出しています。

大滝 俊隆さん「浜の微笑み」
大滝 俊隆さん「浜の微笑み」

この作品は、目にした瞬間「あ、顔だ。ウインクしてる」と気づいて、思わずにっこりしてしまう一枚でした。広大な砂浜のなかから、この「微笑み」を見つけ出す作者は、きっと幸せな人なんだろうな、と勝手に思ってしまいました。「顔」の切り取り方も、大きすぎず、小さすぎず、絶妙で、タイトルも含め、文句なしの入選です。

大崎 浩さん「波の歓迎」
大崎 浩さん「波の歓迎」

思いがけないタイミングで波が来て、足元でバシャン! 顔に飛沫がかかったときの「あるある」な表情が、とても生き生きと撮れています。よく見ると、指に思い切り力が入っていて、そういう細かなところも面白いですね。

富士山賞

松尾 利雄さん「ダイヤモンド富士」
松尾 利雄さん「ダイヤモンド富士」

空が少しガスっているのでしょうか、本来ならダイヤモンド富士を撮影するには百点満点の気象条件ではないと思われますが、しかし、それを逆手に取って「稜線がよく見えない富士山」を夕日の光と淡い雲だけでドーンと表現しているのが面白い作品です。

野鳥賞

ZHI BOさん「ANGLE’S LANDING」
ZHI BOさん「ANGLE’S LANDING」

タイトルに「ランディング」とある通り、オバシギが着地した瞬間を捉えた一枚。体操の演技で着地したときにする「フィニッシュポーズ」を思わせるような、ヴィクトリー感がにじみ出たインパクトのある作品ですね。

生きもの賞

北林 俊思さん「空に浮かび上がる2匹のクモ」
北林 俊思さん「空に浮かび上がる2匹のクモ」

モノクロ写真かと思ったのですが、よく見るとカラー写真のようですね。クモの「巣」が見えないせいで、なんとも不思議な「浮遊感」を描き出した一枚です。二分割と三分割の構図の合わせ技で、妙な不安定感のなかに安定も感じさせるテクニカルな作品だと思います。

テーマ賞

カクテルみたいで賞

馬場 悠樹さん「夕暮れ鏡」
馬場 悠樹さん「夕暮れ鏡」

この写真の魅力は、鏡のような水面よりも、むしろ色彩にあると思います。トロリとした美しいカクテルに、ストローを思わせる長いくちばしを突っ込んでいるこのハマシギが、やがて酔っぱらって「千鳥足」になるのかもな、なんて思ってしまいました。

アニメのクライマックスで賞

糸賀 一典さん「うっとり…。」
糸賀 一典さん「うっとり…。」

三番瀬に、こんな綺麗な花火を見られるところがあるのですね。この写真の醍醐味は、技術うんぬんよりも、青春アニメのクライマックスに出てきそうなシーンが描き出されているところにあると思います。来年は、習志野花火大会を三番瀬からうっとり眺めたいものです。

ゴビ砂漠みたいで賞

関矢 俊夫さん「干潟模様」
関矢 俊夫さん「干潟模様」

以前、モンゴルを旅したときに飛行機から見下ろした「ゴビ砂漠」を彷彿とさせる写真です。水っぽさがなく、マットな感じの砂紋が、脳内トリップを誘うのでしょうか。砂と同系色のハマシギたちが点々と散っているのも、独特な雰囲気の「絵」となっています。

渚がスイーツで賞

小杉 健次郎さん「ミルフィーユみたいな」
小杉 健次郎さん「ミルフィーユみたいな」

自然の中に、これほど人工的とも見える「直線」が幾重にも重なる風景は、あまり見ない気がします。撮影者のつけたタイトル通り、まさにミルフィーユのよう。カラーではなくモノクロにして色の情報を落とすことで、ミルフィーユ感をいっそう際立たせているのも高評価の理由です。

時を止めたで賞

吾妻 君彦さん「静寂を破る大物」
吾妻 君彦さん「静寂を破る大物」

ダイサギがスズキの子(セイゴ)を獲った瞬間を、完全な真横から写し取った作品です。速いシャッタースピードのおかげで、スズキの口から滴る水滴が玉のようにピタリと止まって見えていますが、これが逆に「動きの中の一瞬」を感じさせています。解放近くの絞りで被写体を背景から際立たせ、弱肉強食の瞬間を見事に描き出していますね。

審査員特別賞

久富 智俊さん「干潟模様」
久富 智俊さん「干潟模様」

くねくねとS字を描きながら手前に広がってくる水面が、画面の中の時間をゆったりと進ませているように感じさせます。奥にいる人間と、右手前にいる海鳥たちを取り込むことで、一つの画面に二つの人生(鳥生?)を描いた、味わい深い一枚になっています。

香月 尚樹さん「巣穴の向こうへ届けこのパワー」
香月 尚樹さん「巣穴の向こうへ届けこのパワー」

親子で遊びながら学べる学習館での一コマです。二人の真剣な表情と弓なりになった態勢に、見ているこちらも思わずほっこり♪ いったいどんなアトラクションなのかはわかりませんが、タイトルにある「巣穴」にパワーは届いたかな?

三番瀬ナウ
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