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第15回ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト受賞作品

第15回となる『ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト』は、公園内(干潟を含む)で撮影した、三番瀬に生息する生きものや四季折々の風景、イベントや人とのふれあい、子どもたちの楽しそうな様子などをテーマに募集しました。今回は、147点の応募作品が寄せられ、審査は船橋在住の作家 森沢明夫氏、写真家 鈴木正美氏を迎えて行いました。

最優秀賞

伊東央二さん「空貝」
伊東央二さん「空貝」

審査の途中に、思わず「ん!?」と目が留まった作品です。青い抜け感のある空に、ピタリと止まった天体のような貝殻。この違和感が、見る者の心にインパクトを与えています。早いシャッタースピードで貝殻を止め、貝殻の左下に影を作ることで天体感を演出しています。被写体を放り投げて撮る、という発想も含めて、お見事!

優秀賞

多和裕二さん「冬空の天体ショー」
多和裕二さん「冬空の天体ショー」

超広角レンズの特性を上手に生かし、絵画でよく使う「一点透視図法」のように、星の動きと建物のデッキの角度をそろえることで、とても面白い構図を生み出しています。当公園の展望デッキが、まるで「展望台」のように見えてしまいました。受賞常連の多和さん、さすがです。

入選

馬場悠樹さん「青と青」
馬場悠樹さん「青と青」

まず驚いたのは、ここまで完璧に海が鏡のように凪ぐのか、ということでした。また、上半分のリアルよりも、下半分の鏡像の方が、偏光フィルターをかけたようにきれいなグラデーションを見せているのも面白いです。「案内所」の黄色い看板が、反対色で目立つことで、画面全体を引き締めつつ、何ともいえない美し世界観を出していますね。

菊地亮さん「少年の飛翔」
菊地亮さん「少年の飛翔」

ジャンプした少年の足の裏から地面へとつながっている海水のキラキラ感が、逆光で表現されています。不思議な空中での「浮遊感」と、少年の不自然な態勢も面白いです。被写界深度を浅めにして、奥の網をボカシているのも、見せたいところに視線をもっていかせる技術ですね。

小高貴文さん「落ち着く場所」
小高貴文さん「落ち着く場所」

審査の途中、思わずクスッと笑ってしまった一枚です。おヘソを出して大の字で寝ているこのリラックス感、大人ではなかなか出せませんよね。見る人を無条件で幸せにしてくれる、素敵な作品だと思いました。

岩崎稔友紀さん「夕景」
岩崎稔友紀さん「夕景」

一見、何てことのなさそうな写真なのに、つい、海水から顔を出した黒い干潟の地面に視線を奪われる作品です。気になって全体を眺めはじめると、ピンクとオレンジと青で構成された空の色合いも綺麗で、シルエットで表現された街の輪郭もいい味わいになっています。

富士山賞

大崎豊太郎さん「僥倖」
大崎豊太郎さん「僥倖」

ダイヤモンド富士を撮っていたら、カメラのレンズを(おそらく素敵な)女性がのぞき込んできて、頬と頬が触れ合いそうになった……という幸せな瞬間を「僥倖」というタイトルで表現されたのですね。写真とタイトルの合わせ技、一本!

野鳥賞

江川由起子さん「まつげ」
江川由起子さん「まつげ」

この鳥(ダイゼン)の写真を見た瞬間に、つるりと綺麗な目と、その下に並ぶまつ毛に目が行きました。まさにタイトル通り! また、羽の毛一本一本もキリっと映し出されていることと、斜光による鳥の身体の立体感がうまく表現されているのも選んだ理由です。

生きもの賞

中村隆次さん「流木で遊ぶウミネコ」
中村隆次さん「流木で遊ぶウミネコ」

まだ羽の色が茶色いウミネコの幼鳥たちが、おもちゃのように流木(?)を咥えて遊んでいる様子を捉えた作品です。後ろにいるウミネコが口を大きく開けた、まさにその瞬間を捉えたことが、この写真を決定的に面白くしている要因ですね。

テーマ賞

リコーダーに見えるで賞

西村哲平さん「ド・レ・ミ・サ・ン・バ・ン・ゼ」
西村哲平さん「ド・レ・ミ・サ・ン・バ・ン・ゼ」

竹の流木をリコーダーに見立てる少女の想像力と、楽しそうな笑顔。そして、フィッシュアイレンズを使ってリコーダーを強調し、背景を歪ませながら画面に動きを出すテクニックがいいですね。

青春の声が聞こえるで賞

小杉健次郎さん「ワッショイ!ワッショイ!」
小杉健次郎さん「ワッショイ!ワッショイ!」

前の人の腰に手を当てて、まるでムカデのように並んでいる野球少年たち。いったい何をしているのでしょうか? 澄んだ冬空の下、溌溂とした声が聞こえてきそうな一枚です。

水面はキャンバスで賞

古田理沙さん「反転」
古田理沙さん「反転」

どうやって撮ったのか、あるいは何等かの加工をほどこしたのかは分かりませんが、水面に映った女性が、まるで絵画のように表現されていて、思わず目が留まった作品です。チラリとリアルなビーチサンダルが写り込んでいるのが、この写真の不思議さを際立たせています。

鳥と砂のアートで賞

大滝俊隆さん「足跡」
大滝俊隆さん「足跡」

砂紋と鳥の足跡の切り取り方が秀逸です。斜光を利用してコントラストをつけることで、立体感と、金属質な印象を画面から表現できているところも評価点です。額装して、そのまま部屋に飾っておきたくなるアートな一枚ですね。

どうやって撮ったんで賞

富沢宏さん「珍鳥四つ羽ユリカモメ」
富沢宏さん「珍鳥四つ羽ユリカモメ」

見てすぐ「なにこれ?」となった一枚です。ユリカモメの羽が4枚あるなんて! 多重露光で羽の数を増やしたのか、後ろにもう一羽いて、たまたま羽が4枚に見えたのか…。とにかくインパクトにやられました。

審査員特別賞

香月尚樹さん「高い高い!」
香月尚樹さん「高い高い!」

めちゃくちゃ喜んでいる子供の表情、そして、足の角度。「キャッキャ」という幸せそうな声が画面から聞こえてきそうです。癒しの1枚です。

坂本里美さん「僕、58歳!!元気です!(やめてよお父さん)」
坂本里美さん「僕、58歳!!元気です!(やめてよお父さん)」

無表情な娘さんと、ひょうきんなお父さんの対比、そして、このタイトル。思わず笑ってしまいました。きっと楽しい家族なんでしょうね。ところで、この二人は、いったい何を見ているのでしょう?

応募作品一覧

三番瀬ナウ
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