第10回ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト受賞作品
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第10回目となる今年の『ふなばし三番瀬海浜公園フォトコンテスト』は、三番瀬を含む「海浜公園」部門と「富士山」部門の二つの部門を設け、募集いたしました。関東近県から、海浜公園部門123点、富士山部門31点、合計154点の作品が寄せられました。審査は3月6日(水)に船橋在住の作家 森沢明夫氏、写真家 鈴木正美氏を迎えて行いました。(以下審査員のコメント)例年よりも、光と影のコントラストを生かした作品が多く、バラエティー感が出てきたと思いますが、逆に言うと、あまり作り込まずに撮る「日常的なスナップ写真」が少ない傾向があり、そこは若干、寂しいようにも思えました。とはいえ、撮り手の個性が生き生きと現れた「静」と「動」の風景が高いレベルで表現された作品が多く、全体的なレベルアップがはかられた気がしました。
平成31年3月6日(水)審査員 森沢明夫・鈴木正美
理事長賞
パッと見た瞬間、サン=テグジュベリの「星の王子様」を思い浮かべてしまいました。丸みのある地面と広くてやわらかなブルーの空、そして、自然な人物の配置が、心地いい「物語性」をともなって画面に表現されています。思わずこの写真のなかの世界に入りたくなるような不思議な気持ちになりました。
海浜公園部門
《大賞》
展望デッキの立体的な建物をシルエットにしたことで、三次元を二次元の影絵ようにしたところが、この作品のポイントですね。階段を駆け下りている子供が手にしている網が、画面のなかで唯一の「赤」なのも面白かったです。
入選
カメラをまったく気にせず、食べたいものにかぶりつき、飲みたいジュースを手にしている子供の「超リラックス感」がいいですね。この子、きっと海浜公園を好きなんだろうなぁ、と思わせてくれました。
手前に伸びている影が、耳がピンと立った見事な「影猫」になっているところがいいですね。やわらかい夕暮れのなか、振り返った猫と、後ろでまったりしている猫たちの穏やかな日常が自然な感じで切り取られています。
富士山部門
《大賞》
太陽、富士山、観覧車。タイトルはこの三つの形なんですね。あえてマット紙にプリントしてコントラストを弱めることで、淡くてやわらかな風景作品へと作り込むという作者の工夫も感じられます。どっしりとした安定感のある山の構図と、日本画のような太陽に、品格が備わり、ひとつの世界観を作り出しています。
《入選》
深呼吸をしたくなるような、冬の朝の凛とした空気感がよく出ていますね。また、青い空を映し出した干潟の海水がS字を作っていて、それをたどっていくと自然と富士山へと視線が誘導されます。構図の作り方も上手です。
濃密なオレンジ色に包まれた世界。不動の富士山のシルエット。凪いだ海。この写真の画面から感じたものは「音」でした。それも、とても、とても微かな「波音」です。雄大な景色を前にした作者の感動がストレートに伝わってきます。
佳作
水平に刻まれた無数の蒼い波紋と、陽光を浴びた物流倉庫の対比が、どこか「夢うつつ」のような不思議な世界観を醸し出しています。いままでにない新鮮さを感じさせてくれた作品です。
見た瞬間に、思わず「子ども、楽しそう!」と言ってしまいましたが、ソリを引いているお父さん(?)まで楽しそうで、こちらまで笑顔になってしまいました。これぞ、まさに「三番瀬海浜公園のしあわせ!」という作品ですね。
迫りくる低い雲と、モノトーンにまとめた画作りの効果で、見ている者をちょっとドキドキさせるような作品です。スタイリッシュな映画のワンシーンにありそうな物語性を感じさせます。
羽を休めたユリカモメがきれいに水に映っていることで、空気感や静けさが伝わってきます。被写体をあえて少し斜め右上におさめることで、「不安定なのに心地いい」という絶妙な構図を作り出しています。
本当なら「ダイヤモンド富士」が見える日なのに、天気がいまいちで…。でも、大丈夫。素敵なダイヤモンド富士を作り出してしまいました。よく見ると富士山のなかにかわいらしい富士山もありますね♪ ほっこりさせてくれた作品です。
審査員特別賞
世界的に有名なウユニ塩湖をイメージさせるような一枚ですね。ピタリと風が止まったこの瞬間、この場所にいなければ撮れない、唯一無二の作品です。
冬の色づいた松葉の写真ですが、これを何かの芽吹きのように捉えて、「新芽」とタイトルに付けたのでしょうか? 何気ないモノに目を向けて、そこに新たな意味を見出す感性を楽しむのも、写真ならではの面白さですよね。